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Research&References

森山新先生のゼミに所属しております。

研究テーマと学術的興味、参考文献などについて、簡単にご紹介いたします。

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研究テーマ

短文における未知漢字語彙の意味推測と手がかりの使用

―朝中バイリンガル日本語学習者を中心に―(仮)

 要旨:外国語習得において語彙項目の習得は重要であり、学習者は未知語に出会ったときに、その意味を推測することがよくある。バイリンガルは既習言語の知識が多様で、言語処理のメカニズムにおいてモノリンガルと異なるとされている。また、日朝中3言語には同根語が多く、漢字語彙の形態・音韻・意味においても共通性があるため、漢字語彙の意味推測は朝中バイリンガルにとって特殊なプロセスになる可能性が高い。そこで本研究は、朝鮮語を母語とし、中国語を母国語とする朝中バイリンガル日本語学習者に焦点を当て、彼らにおける未知漢字語彙の意味推測の実態を明らかにすることを目的としている。

キーワード:未知漢字語彙、意味推測、形態情報、音韻情報、朝中バイリンガル

学術的興味

第二言語習得,バイリンガル教育,言語不安,学習者心理,学習環境デザイン,語用論,異文化間コミュニケーション,ジェンダー学

​文献リスト
 

  • 安龍洙(2001)「日本語学習者の漢語の使用意識に関する研究:韓国人学習者と中国人学習者を比較して」『言語科学論集』5,1-12.

  • ウラムバヤル ツェツェグドラム(2013)「未知漢字語彙の意味推測を促す指導の効果―推測手がかりの使用と正確さの観点から―」『第二言語としての日本語の習得研究』 16,178-195.

  • 玉岡賀津雄(1997)「中国語と英語を母語とする日本語学習者の漢字及び仮名表記語彙の処理方略」『言語文化研究』17(1),65-77.

  • 玉岡賀津雄・宮岡弥生・松下達彦(2002)「日本語学習者の心的辞書(mental lexicon)の構造―中国語を母語とする超上級日本語学習者の漢字熟語の処理を例に―」『平成14年度日本語教育学会中国地区研究集会予稿集』1-8.

  • 加藤稔人(2005)「中国語母語話者による日本語の漢語習得―他言語話者との習得過程の違い―」『日本語教育』125, 96-105.

  • 門田修平・池村大一郎(2006)『英語語彙指導ハンドブック』大修館書店

  • 邱學瑾(2002a)「漢字圏・非漢字圏日本語学習者における漢字熟語の処理過程:意味判断課題を用いた形態・音韻処理の検討」『教育心理学研究』50,412-420.

  • 邱學瑾(2002b)「台湾人日本語学習者における日本語漢字熟語の処理過程:日・中2言語間の同根語と非同根語の比較」『広島大学大学院教育学研究科紀要第二部(文化教育開発関連領域)』51,357-365.

  • 邱學瑾(2010)「日本語学習者の日本語漢字語彙処理のメ力ニズム―異言語間の形態・音韻・意味の類似性をめぐって―」『日本語教育』146, 49-60.

  • 小森和子・玉岡賀津雄・近藤安月子 (2008)「中国語を第一言語とする日本語学習者の同形語の認知処理―同形類義語と同形異義語を対象に―」『日本語科学』23, 81-94.

  • 小森和子・玉岡賀津雄・斉藤信浩・宮岡弥生(2014)「第二言語として日本語を学ぶ中国語話者の日本語の漢字語の習得に関する考察」『中国語話者のための日本語教育研究』5, 1-16.

  • 小林典子・フォード丹羽順子・山元啓史 (1996)「日本語能力の新しい測定法「SPOT」『日本語教育論集 世界の日本語教育』69, 201-218.

  • 迫田久美子(2002)『日本語教育に生かす第二言語習得研究』アルク

  • 崔松子(2006)「多言語話者の日本語学習における言語間の影響:朝・中バイリンガルを対象に」東北大学博士(国際文化)学位論文

  • 崔娉(2015a)「日本語の未知漢字語彙の意味推測に見る中国語を母語とする学習者の推測手がかりの利用:漢字語彙の日中対応関係及びL2習熟度の観点から」『言語文化と日本語教育』50, 61-70.

  • 崔娉(2015b)「中国語を母語とする日本語学習者における未知漢字語彙の意味推測」『第二言語としての日本語の習得研究』18,103-119.

  • 崔娉(2017)「日本語読解における未知漢字語彙の意味推測―中国語を母語とする日本語学習者を対象に―」『中国語話者のための日本語教育研究』8,32-45.

  • 高橋亜希子(1998)「中級日本語学習者の読解ストラテジー―韓国人日本語学習者の場合―」『言語科学論集』2,85-96.

  • 高橋亜紀子(2013)「日本語学習者と日本語母語話者の読解過程の比較」『2013CAJLE Annual Conference Proceedings』269-279.

  • 谷内美智子 (2002)「第二言語としての語彙習得研究の概念―学習形態・方略の観点から」『第二言語習得・教育の研究最前線―あすの日本語教育への道しるべ―』凡人社, 155-169.

  • 谷内美智子・小森和子 (2009)「第二言語の未知語の意味推測における文脈の効果―語彙的複合動詞を対象に―」『日本語教育』142,113-122.

  • 谷口すみ子・赤堀侃司・任都栗新・杉村和枝(1994)「日本語学習者の語彙習得―語彙ネットワークの形成過程―」『日本語教育』84,40-52.

  • 徳田恵 (2006)「読解における未知語の意味推測と語彙学習」『言語文化と日本語教育.増刊特集号』10-30.

  • 羽渕由子・松見法男「第二言語単語の処理モデルの動向」『広島大学教育学部紀要第二部』49,171-177.

  • 文化庁(1978)『中国語と対応する漢語』大蔵省印刷局

  • 堀場裕紀江・小林ひとみ・松本順子・鈴木秀明 (2005)「第2言語読解にかかわる語彙知識」『テクスト理解と学習』平成16年度日本学術振興会科学研究費基盤研究(基盤研究(B)(2)研究報告書)神田外語大学

  • 堀場裕紀江・小林ひとみ・松本順子・鈴木秀明(2008)「第2言語学習者の言語知識と読解における母語背景の影響」『言語科学研究』14, 27-48.

  • 松島弘枝 (2014)「韓国人日本語学習者における日本語漢字単語の視覚的認知:韓日2言語間の同根語と非同根語の処理過程―」『留学生教育』19,23-32.

  • 松田文字(2000)「日本語学習者による語彙習得」『世界の日本語教育』10,73-89.

  • 松見法男(1994)「第二言語習得における単語の記憶過程―バイリンガル二重合仮説の検討―」『The Japanese Journal of Psychology』64(6), 460-468.

  • 松見法男(2001)「第二言語の習得―第二言語の認知過程をのぞいてみよう―」『おもしろ言語のラボラトリー』北大路書房, 195-219.

  • 松見法男(2002)「第二言語の語彙を習得する」『日本語教育のための心理学』新曜社,97-110

  • 松本順子・堀場裕紀江(2007)「日本語学習者の語彙知識の広さと深さ―中国語母語話者と日本語母語話者の比較―」『第二言語としての日本語の習得研究』10, 10-27.

  • 山方純子(2007)「第2言語読解における未知語の意味推測研究の概観―下位レベルの推測ストラテジー使用に着目して―」『言語科学研究』13, 37-51.

  • 山方純子(2008)「日本語学習者のテクスト理解における未知語の意味推測―L2知識と母語背景が及ぼす影響―」『日本語教育』139, 42-51.

  • 山方純子 (2013)「第二言語読解における語彙推測―語彙知識、母語背景、及び、テクストのトピックへの馴染み深さが及ぼす影響―」神田外語大学言語科学研究科博士論文

  • Alptekin, C. (2006). Cultural familiarity in inferential and literal comprehension in L2 reading. System, 34, 494-508.

  • Chikamatsu, N. (1996). The effects of L1 orthography on L2 word recognition: A study of American and Chinese learners of Japanese, Studies in Second Language Acquisition, 18,403-432.

  • Huckin, T. & Bloch, J. (1993). Strategies for inferring word meaning in context: a cognitive model in Huckin, T.,Haynes, H.,& Coady. J. (Eds). Second Language Reading and Vocabulary Learning, 153-178.

  • Kondo-Brown, K. (2006). How do English L1 learners of advanced Japanese infer unknown Kanji words in authentic texts. Language Learning, 56, 109-153.

  • Laufer, B. (1990). Why are some words more difficult than others? Some intralexical factors that affect the learning of words. IRAL-International Review of Applied Linguistics in Language Teaching, 28(4), 293-308.

  • Mori, Y. & Nagy, W. E. (1999). Integration of information from context and word elements in interpreting novel kanji compounds. Reading Research Quarterly, 34, 80-101.

  • Mori, Y. (2003). The roles of context and word morphology in learning new kanji words. The Modern Language Journal, 87(3), 404-420.

  • Nassaji, H. (2003). L2 vocabulary learning from context : stategies ,knowledge and their relationship with success in L2 lexical inferencing. TESOL Quarterly,37(4), 645-670.

  • Nation, P. & Coady, J. (1988). Vocabulary and reading, In R. Carter, and M. McCarthy (Eds.), Vocabulary and Language learning. New York: Longman, 97-110.

  • Paribakht, T. S. & Wesche, M. (1999). Reading and “Incidental” L2 vocabulary acquisition: An introspective study of lexical inferencing. Studies in Second Language Acquisition, 21, 195-224.

  • Sakuma, N., Sasanuma, S., Tatsumi, I.,&Masaki,S.(1998)Orthography and phonology in reading Japanese Kanji words:Evidence from the semantic decision task with homophones.Memory and Cognition,26, 75-87.

  • Swan, M. (1997). The influence of the mother tongue on second language vocabulary acquisition and use. In Schmitt, N, and M. McCarthy (Eds.), Vocabulary: Description, Acquisition and Pedagogy. Cambridge: Cambridge University Press, 156-180.

  • Van Orden, G. C.(1987)A row is a rose:Spelling,sound,and reading.Memory and Cognition, 10, 434-442.

  • Wydell, T. N., Patterson, K. E., & Humphreys, G. W. (1993) Phonologically mediated access to meaning in Kanji: Is a rows still a rose in Japanese Kanji? Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition, 19, 491-514.

CUI HUILING  /  崔 恵玲

お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科

比較社会文化学専攻 日本語教育コース

​博士前期課程 1年

betterchoii@gmail.com

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